292種 ヒクイナ 1984.10.27. 長崎県諫早市

 いよいよ300種目に到達しようというのにまだ見ることができない鳥がいた。ヒクイナとキクイタダキである。意地悪な友人たちは「ヒクイナで300種記念だあ!」とからかう始末。別にたいしたことではないのだが、300種目はなにか珍しいものにしたい、という気持ちがあった。そのため、300種へのカウントダウンが近づいてくると、早くこれらの鳥を見ておきたいと思うようになっていた。そういった中、学生時代にかわいがってくださったYさんのお誘いで長崎県の諫早干拓へ鳥を見に行くことになった。特に変わったものが出たわけではないが、オオソリハシシギやツメナガセキレイなどの渡り鳥や、ツグミ・ジョウビタキなどの冬鳥などを見ることができた。Yさんの車の後部座席からのんびりと双眼鏡で見ていたら、Yさんが「あ!あれはひょっとして君が見たがっていた奴かな?」。指さす方を見ると、水田の稲の隙間から茶色い姿が!「ヒクイナ!」やっと見ることができた。この数日後にキクイタダキも見ることができ、ひとまずピンチを脱出したのであった。